第23章 「 人が人をだます方法と見ぬく方法 」
世界文法ー21世紀を創る統合力と3次元文法ー |
●低次元の詭弁(きべん)で、日本人が国家の根本問題を軽く考える姿勢は歴史ある 日本の創造に対する、軽薄な思考であり、尊厳なる日本国民に対する冒涜になります。 選挙にも行かず人生時間を浪費する若い人々が増加するのも亡国の日本への兆候です。 ここに日本創造の将来を憂えて、14の詭弁の見抜き方を分析し、対策を構築したい。 人が人をだます方法を見抜く力が必要です。繁栄に寄与する日本に、進化する時です。 ■①多義の虚偽 ●使用する言葉の意味が、いくつにもとれることから、生まれる虚偽があります。 ●「規則で人間を束縛することは自由の剥奪である。自由の剥奪は人間を奴隷と するものである。故に、規則を設けることは、奴隷をつくることである・・・。」 ○自由の意味が、拡大され、変形されていて、理解できずに、虚偽が生まれます。 ■②文章のあいまいの虚偽 ●文章の構成の、あいまいさによって、生じる虚偽があります。 ●「アスルスバン二コイ。」 ●「彼はルソー全集をもっている。ルソーのものはルソーの所有物である。 故に、彼は、ルソーの所有物を、とったのだ。・・・」 ○著作なのか、蔵書なのかが、あいまいな「ルソーのもの」という言葉を仲介と して、文章が不完全にできています。ここが、理解できずに、虚偽が生まれます。 ■③強調の虚偽 ●文、または文章の一部を強調して、意味を変えることから、生じる虚偽があります。 ●「隣人には、人々は親切にしなければならない。・・・」 ○隣人を、強調すればするほど、そうでない人には、不親切でもよいことになります。 商品広告でも優秀性のみを強調し、欠点をごく小さく書くなどはこの例であります。 ■④全体と部分の虚偽 ●全体のもつ性質を、その部分ももつ、あるいは、逆に部分の性質がそのまま全体に 及ぶ。とする虚偽であります。 ●「このクラスは、学校で一番成績がよいです。だから、そのひとりの、鈴木君も、 成績がよいにちがいない。・・・」 ■⑤論点相違の虚偽 ●いわゆるまとはずれの推理で、問題点でないことを前提として、結論を出したり、 反駁することであります。 ●「放火の恐るべきことを強調して、被告が犯人であると断定する。」 ○他の立証を、ともなわないかぎり、こういう虚偽におちいるものであります。 ■⑥人に訴える論証 ●ある人物Aの主義や思想や意志などを、Aの人格に還元して支持または反駁する。 ●「老子は偉大であった。だから彼の教えは真理である。・・・」 ●「アインシュタインは天才である、だから、その哲学は全て信用できるものだ。」 ■⑦権威に訴える論証 ●ある主張の正しさを示すのに、その主張者の権威に、訴える論証である。もちろん その人の専門分野での発言は、尊重されねばならないが、その権威の故に真である とすることはできないものです。 ●「アインシュタインにしても、彼の物理学の発言を、すべて真である。と、彼の 権威をもとにして、考えることは正しくない。・・・」 ○さらに、注意を要することは、「権威の転移現象」であり、ある専門分野Aでの 権威者が、専門外の分野Bでした発言にも、その専門分野Aと同じ権威を認める 誤りがあります。人文・社会科学など、理論の実証をおこないにくい分野に多い 誤りです。テレビのスポーツ解説者が、政治に一言そえると誤る場合もあります。 ■⑧大衆に訴える論証 ●いわゆる、大衆扇動などは、この例です。人々の間にある種の感情を呼びおこし、 それにより、一定の結論を、無意識のうちに承認させる方法です。 ●「テレビや、ラジオのコマーシャル・ソングでの商品宣伝などはその例である。」 ■⑨無知に訴える論証 ●ある命題の真なることが、証明されないから偽りである。逆に偽りであることが、 証明されないから真とする論証です。命題の立証や、反証ができていないことは、 直ちに、それらの偽りと真とにつながらないものであります。 ●「火星には、知的動物は存在しないとは立証されていないから、それは存在する。 などは、この種の誤りであります。」 ■⑩偶然の虚偽 ●物質の性質についての、一般的な主張と偶然的・例外的な主張とを混同すること から生じる誤りであります。 ●「運動は健康に良い。だから、病人にも運動させる。・・・などは、たいていの 場合は、まちがっています。」 ■⑪論点せつ取の虚偽 ●証明すべき結論を、ひそかに前提として用いる論法で、循環論法とも言われます。 ●「神の言葉は真理である。聖書は神の言葉である。聖書が神の言葉であることは 聖書に書かれている。故に、聖書が、神の言葉であることは真である。・・・」 ○この文章では、第二前提に、結論が入っています。ここからくる虚偽であります。 ■⑫多問の虚偽 ●二つ以上の質問を、まとめておこなう。これにYESかNOのいずれかの答えを 求めることから、生じる誤りであります。 ●「京都で、おまえはこの男に会ったか?」と、法廷では聞いてはならないのです。 「会ったか?」とまず聞き。その答えにより、「どこで?」というように、分割 して聞かないと、京都以外の場所で会った時にも、この質問には否定をもって 答えられ、この男に、まったく会ったことがない結論になり、誤りを生じます。 ■⑬無観察の虚偽 ●観察や実験が不十分であり、または欠如していることから生じる誤りであります。 ●「16世紀までは、物体の落下速度は重さに比例する。とされていた例がある。」 ○人文・社会科学などでは、研究者の先入観により、この種の誤りをおかしやすい。 ■⑭一般化の虚偽 ●一事をもって、万事を律しようとする、誤りであります。 ●「帰納推理の誤用から生じるものが多いのですが、実社会ではよくあるものです。 いわゆる、ジンクスや迷信は、ほとんどが、この型の虚偽であります。」 ○海外旅行者の見聞録も、往々にして、この種の誤りをおかしやすいものであります。 ●世界的な政治家や、国家の官僚達の話を聞くときには、深くふかく聞き込みながら、 こういう間違いをしないか、あるいは、人が人を、だましていないかを、思いながら、 深く聴くことです。また論文や新聞記事でも、このような点に注意して読むべきです。 背後に大きな利権や、お金がからむと、人々は、結論を急いでだますことがあります。 エネルギーの流れには、必ず矛盾が生れ、矛盾を予測しない論理には警告が必要です。 ●21世紀の豊かな国・日本の創造のために、平和で戦争をしない安定・安全・安心 な国を、創ることです。平和・活力・長寿の国・日本を創るために、豊かな心を耕す 国・日本を創ることです。人が人をだます方法を見抜き、豊かな天心と私心を鍛えて、 大きな器で、未来からの豊かな光を沢山とらえていくことです。夢を形にする時です。 21世紀の世界平和を創るためにも、みなさまの勇気と大きな意志に期待しています。 お金の流れが淀む日本です。天の外からの大局観の視点での天の大器が必要な時です。
< 前 | 次 > |
---|