第16章 「 問題解決型組織の一日決算会計と管理会計 」
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●ニューヨーク証券取引所に上場している、日本の世界的な優良企業は、全社が一日 決算会計を導入して実施しています。毎日夕方5時に、その日の内に、貸借対照表と 損益計算書が正確に作成されます。計数から問題点を見つけ、解決策で即対応します。 ●松下幸之助の日本的経営で、一番大切なことは、一日決算会計こそが優良企業にす る最善策であり、長期に安定成長する企業つくりの最善策であることを示しています。 京都のMKタクシーの経営は、タクシー運転手が皆、経営者であり、本社から自動車 を貸与されて、一定の使用料を毎月支払い、売上げの残りは全額、運転手の収入にな るという経営です。運転手が経営者です。一国一城の主を作れば優良経営になります。 ●また、京都に本社のある王将チエーンでは、安くてうまい中華料理店を、たくさん 経営しています。ここでも、全国のお店の経営者は皆が社長であり、店の厨房設備や お皿等の代金と、毎月の野菜や肉の原材料の仕入代を本社に毎月支払い、残りは全額、 各お店の社長の収入になるそうです。すなわち、売上げの半分を、本社が取り、半分 をお店の経営者が取るという変動的な取り方ではなくて、固定的な取り方をした方が、 よく働くことになります。朝から夜まで、人々が自由に働く良い動機づけは大事です。 ●会計には、①のような財務会計と、②のような管理会計があります。 ■ ① 売上-経費=利益 (財務会計) ■ ② 売上-利益=経費 (管理会計) ①のような、財務会計で経営をやると、利益はでにくいものです。しかし、②のよう な管理会計では、利益が確実に確保されます。すなわち、年間に1200万円の利益 をだそうとすれば、予算を立てて毎月の売上げから、とりあえず100万円を先に引 きます。残りの金額を経費として使うことです。毎月確実に100万円が1年定期に されて貯金され、年間に1200万円が利益額として確保され会社は元気になります。 ●こういう管理会計を、儲かる会社は、必ず実行しています。すなわち、管理会計と 財務会計を同時に実行しています。しかも、月次決算と一日決算を実行している会社 もあります。だからこそ、打つ手も早く、緊張感も大きくて、良い人材が育つのです。 全社的な計数管理の細かい厳しさがないと、人は智恵も汗も出しません。松下幸之助 は、企業経営の基本は会計にありとのことで、一日決算会計を、昔からやっています。 地球的な規模で、24時間を3分割して、日本と、ロンドンとニューヨークの本社で、 8時間単位で地球を3分割して、夕方の5時になれば、その日の内に、貸借対照表と 損益計算書を、日々に毎日、一日ごとに作り、赤字部門と黒字部門を、明確に分けて 対策をその日の内にとるようにしています。問題解決が早いのです。計数で管理して、 損益を、はたらく人々に意識させるからこそ、問題解決が早くて、全社的に可能です。 ●日本においても、会社ではコスト・ダウンをやります。人件費はコストでしょうか。 利益は組織運営維持費としての後払い費用であり、経費は先払い費用です。古い会計 学にも、疑問をもつべき大切な時です。IT技術を活用し管理会計を独創すべきです。 人件費は利益の1部であり、人件費は、利益と考えた方が、人は人を、大事にします。 家計からすれば、人件費とは、その家庭の売上げであり、まさに、収入そのものです。 株主配当第一主義であるアメリカ型資本主義経営よりも、今一度、松下幸之助の提唱 する、人材の雇用安定第一主義の日本的経営の一日決算の会計思想を創造すべきです。 ●国家が取る税金も、利益の半分を、法人税として取るより、赤字と黒字に関係なく、 固定的にも、日本の全企業から取り、残額は全て企業収入にすれば、元気になります。 だからこそ、外形標準課税のほうが、確実に、国家は税金を確保できます。企業会計 からすれば、税金は費用として計上しますから、確実に企業利益を確保できるのです。 銀行や民間企業や大学においても、長期利益戦略は管理会計の導入と実施で可能です。 21世紀は日本が変わり、強い国になる時です。生涯人生高等教育で変えることです。 問題解決の早い世界知性の育成のために一日決算会計を世界企業に義務づける時です。
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